23. 一人ぼっちの足跡
僕は今まで自分一人で生きてきたと思っていました。
だから、後ろを振り返るといつも足跡は一人ぼっち…。
誰も僕を助けてくれないし、誰も僕の苦しみを解ってくれないし、
僕の生きている必要性も感じない。
このまま生きて行っても朝から晩まで働いて、給料をもらい、歳をとって、そして死んでいく…、それにいったい何の意味があるのだろう?
…とそんなことを考えて生きていました。
どうせ自分という存在が意味のないものならば、いっそのこと全てを壊してみようか?
そして最後に自分自身までも壊してみようと考えた時に、ふと頭の中を駆け巡ったことは、親であり、兄弟であり、友人達でした。
それまで振り返っても誰も一緒に歩いてきてくれなかったと思っていた<一人ぼっちの足跡>は、実はそれは僕の足跡じゃなかったんです。
僕が自分一人ではどうしようもなく、挫折が目の前に立ちはだかり、
もうこれ以上は進めないと思っていたときに、誰かが僕を背負って歩いてきてくれた軌跡だったのです。
だから、足跡は一つしかなかった…。
みんな幸せな時は後ろを振り返ったりしない。気持ちがダメになりかけているときに振り返り、一人ぼっちの自分を悲劇の英雄に仕立て上げるんです。
もし、僕が世の中で不必要なものならば、誰も背負ってくれず、そして足跡もつくことはなかったでしょう。つまり、幽霊のように生きていないものに足跡はできないということです。
そう思ったら、どれだけ自分がわがままに生きてきたのかを思い知らされ、とてつもない恥ずかしさと、そして安心感が込み上げ涙が止まらなくなりました。
足跡は、生きている証拠であり、生きていた証拠でした。
そしてその足跡を受け入れ笑えるだけの心の余裕が出来たとき、自分の生きる目的・理由を知ったような気がします。
僕はもう一人ぼっちじゃありません。
かけがえのない家族、友人達がいます、そして足跡があります。
そして僕は親になりました。
これから僕は自分の足で歩いて、もし誰かが傷つき歩けなくなったら、誰かが僕を背負って歩いてくれていたように、今度は僕が背負って歩いて足跡をつけてあげたい。
僕の子供が悩んでいたら、「振り返った足跡が一人ぼっちだったとしても、お前は一人ぼっちじゃないんだよ」と諭してあげたい。
だから、僕はもう一人ぼっちじゃありません。
written by ayanpa
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