6. 風のふくまま
マタニティ・ブルーと言えばいいんでしょうか?
いつも気分屋の妻が、以前にもましてその時の気分によって態度や仕事量がよく変わるんです。
最初は、「妊娠って大変なんだろうな?」となんとか理解しようと努めてはいたんだけど、仕事が終わって帰宅すると何も片付いていない、ご飯も準備できていない、部屋は真っ暗でグーグー寝ている…、こんな日々が続くとさすがに僕はたまらなくなる。
機嫌がいいとちゃんと普段の仕事をこなしておまけにケーキを用意したり、シャツのアイロンがいつもよりピシっとしてたりするんだけど、機嫌が悪いとやるべき事さえもしなくなる。
僕は仕事で、やりたくもないことを目標達成のためにはなんとしてでもやりとげる精神が好きなので、体調や気分でムラのある仕事をする人は嫌いだ。家事や妊娠というものも僕は「仕事」と認識しているので、業務不履行と捉えてしまう。
「妊娠の仕事」ってどういうことなんだろう?わからない。
わからないのに僕の不満を妻にぶつければ必ず「妊娠の辛さが分っていない!」「完璧を求めないで!」という答えが必ず返ってくる。
そうして妻は「自分はダメな人間だ」と自己嫌悪に陥り泣きじゃくる。
こうなると僕はますますどうしようもなくなって我慢のはけ口をどこかに求めざるを得ない気持ちでいっぱいだ。「データブソクデス、トリケシキイヲオシテクダサイ」
女性の体の中でどういう変化があってどういう精神状態になるのかなんて、理解したふりはできても実際にどこまで気持ちを汲んであげられるかは僕が経験する他ないが、それができないから、「僕の気分次第」にどうしてもなってしまう。
妻からしてみれば、「事件は現場で起きているんだ!会議室の中じゃない!」と言わんばかりに、妊娠のことを頭の中でしか分っていない様に感じてることでしょう。
結局、風の吹くまま気の向くまま、気分屋同士の戦いに解決案など存在しない。「データブソクデス、トリケシキイヲオシテクダサイ」
そんな時はコーヒーでも淹れて、テレビのインターレースの線数でも数えながら落ち着いて、出来る方が家事をやればいい。
どんだけ「お前のすべきことだろう!」と思っても、まず自分がやる。
お互いに不満を持ち合うことよりも、塵一個でも不満と一緒にゴミ箱に捨ててしまった方が健全だと思うから。
「嫁を甘やかす、嫁の尻に敷かれてる、俺は外で働いてきたんだ」
・・・それが男の家事をしないことの理由ならば、家庭を持つ必要はないでしょう。結婚して幸せや楽さだけを貰おうとするのは甘い考えだし、独身の人は全部自分でしているんですから…。
それを妻がみて、何もできないなりに努力する気持ちや改善があれば本当に辛いんだと理解できるし、何も反応がなければ、素直に相手を観る目がなかったとあきらめよう…。例え貧乏くじをひいたとしても、自分がしっかりしていればいいのだから…。
written by ayanpa
Post Script:
やってみせ、言ってきかせて、させてみて、
褒めてやらねば人は動かじ。(山本五十六)
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